地質学の知識を応用できることに魅力を感じた

大学では、理学部地質学科で堆積学を学びました。周りは、地質学の知識をダイレクトに活かせる研究者となったり地質調査会社に就職するなか、私は身につけた知識を応用して、土木構造物の設計をすることに興味を持ち当社へ入社しました。
総合技術第1部では、主に農業用水の基幹水利施設であるダム、ため池に関わる設計や、検討業務を行っています。そのなかでも、構造物基礎や斜面、水理的課題に関わる調査・設計業務に携わっています。現在私が担当している案件で多くを占めるのは、ダムの耐震性能照査業務、いわゆるレベル2と呼ばれる大地震が発生したときにも、ダムの安全性が担保されているのかを検討する業務です。これは東日本大震災をきっかけに、平成24年度から始まったもので、当部としても大きな割合を占めている業務です。さらに最近では地震や豪雨災害で被災したダム、ため池の災害復旧事業も多く実施しています。私のような「地質技術者」は当社には少ないため、基礎や斜面に関する調査・検討が必要なときには、他部署や他支店の案件でも対応することがあります。

正確な地質調査をするために、さまざまな角度で検討して計画を練る

構造物を設計するには、基礎地盤、基礎地質の状態を知る必要がありますが、その地質調査に至るまでの下準備は重要です。たとえば、山中や河川、湖面で地質を調査する場合は、機材をどのルートでどのように運搬するのか、どのような足場を設置するのかといった、細かな事項を検討しなければいけません。現地で実施できるかは、実際に足を運んで詳細をチェックします。こうして作成した計画を発注者に説明し、了解を得られてからようやく調査を実施することができます。そして調査が始まっても、想定と異なる地質が出現し、地盤の強度が不足するなど、さまざまな課題が生じるため、調査会社と連携して対応することが必要です。調査結果から断面図等作成し、設計するために必要な地盤定数を検討して、設計技術者に引き継ぎます。各段階で設計技術者と連携しつつ、地盤状況に対して問題ないか確認しながら作業を進めます。
作業を進めるうえでは、さまざまな課題があり、大変さもありますが、土地改良区さんや農家さんといったエンドユーザーから直接聞いた意見を、設計内容に盛り込めることは、設計者冥利に尽きます。また、設計したものが最終的にはどうなるのか、誰の役に立つのかが分かりやすいため、仕事のモチベーションも維持しやすいです。

計画から10数年後、ダム完成を見届けたときの達成感は格別

ダムなどの大きなプロジェクトは、計画から調査、設計、施工、そして完成まで10年近くかかります。コンサルタントと聞くと、設計までが担当で施工が始まると関係がないと思われるかもしれません。しかし、ダム工事は一般的な土木工事と違って、不確定要素がかなり多く、工事中に判明した課題の解決や、最終的に水を溜める試験湛水に至るまで、長期に渡って携わる必要があます。期間が長い分、完成まで見届けたときの達成感は格別ですし、そこで得た知識や経験は何物にも代えられません。
今後は若手の育成に尽力していきます。単に教えるだけではなく、若い力を活かすことで、UAV(ドローン)や衛星情報の活用や新技術の開発など会社として新たな分野に挑戦できればと思っています。自分の経験を次世代に引き継ぎつつ、新たな風も取り入れて、会社を盛り上げていきたいです。

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