社員インタビュー No.11
クライアントや業者、受益者。
三者三様の要求をいかに調整していくかが、腕の見せ所。
1987年入社
農業土木専攻/エキスパート/海外事業本部
技術第4部 参事
T.H
先輩社員の海外への熱い思いが、入社のきっかけに
就職活動時は、ゼネコンかコンサルタントで迷いましたが、より幅広い分野に携われるのではないかという期待から、コンサルタントを選びました。入社前に大学の大先輩である社員から話を聞く機会がありましたが、海外事業について熱い思いを語ってもらったことが印象に残っています。その話が高校時代に心を打たれた、砂漠を緑に変えるというドキュメンタリー映像とリンクし、当社にぐっと惹かれました。
2019年から、エジプトでかんがい施設を建設する事業において、「事業監理」を行うコンサルチームのリーダーを担っています。一般的には建設現場で品質、コスト、工期、安全そして環境を管理することを「施工管理」と言いますが、対して「事業監理」では、それらに加えて、クライアント・施工業者・受益者の間に立って、事業全体に関わる調整も行っています。「事業監理」においては、クライアントに忖度するのではなく、あくまでもコンサルタントとして「中立・公正」な立場で物事を判断し、プロジェクトの推進を支援していきます。
完成までの苦労は絶えないが、農家さんの喜ぶ顔を見ると報われる
海外事業部に配属になった当初は、受益者(とくに農家の皆さん)が容赦なく、不満や要求をぶつけてくることに戸惑いました。受益者の生活状況は、想像できないほど厳しい場合が多く、私たちが計画する施設が、今後の生活を大きく左右すると言っても過言ではありません。一方でクライアントである政府の予算にも限りがあるため、受益者とクライアントの意見をどのように調整していくかが重要です。海外ならではのさまざまな苦労がありますが、施設完成時に関係者の喜ぶ顔を見られることがこの仕事の醍醐味の一つです。二度としたくないと思う苦労もありますが、この瞬間を味わうとまた頑張ろうとエンジンがかかります。
また、計画から完成まで一貫して事業に携われることも、海外事業の醍醐味だと思います。海外事業部に配属されるまでは、国内事業部で10年余りダムの設計に携わっていました。チームで役割分担をして作業にあたっていたため、自分自身の担当は全体のごく一部でした。しかし、海外事業本部に異動してからは、最初から最後まで携わることが多く、完成までの一連の流れを経験でき、技術者としてのやりがいを感じています。
海外事業で大切なことは、自らアクションを起こせるかどうか
海外の仕事をするにあたり、国内にはない配慮も必要になります。たとえば相手国との時差。円滑に仕事を進めるために、時差を考慮してメールを送ったりTV会議を行うなど、連絡一つとっても国内案件とは少し対応が異なります。他にも、海外ならではの対応として、カンボジアで調査の前に不発弾や地雷除去を手配したこともありました。また、アフガニスタンでは調査地区内の至る所に戦車や大砲の残骸が散乱しているのを目にしたり、南スーダンから軍用機で隣国に脱出したりと、とくに身の危険は感じませんでしたが、国際情勢を肌で感じることもしばしばあります。
このように日本ではなかなか体験できない事象にも、海外では柔軟に対応しなければならないので、広い視野で考え実行できる人物が望ましいです。また、コンサルタントには積極性が求められますが、とくに海外は自らアクションを起こさないと何も始まらない場合が多々あります。仕事を進めるなかで困ったことがあれば、上司や先輩が全面協力しますので、とにかくチャレンジする姿勢を持ち続けられる人に入社していただきたいです。